すぐ知りたい先端巨大症のこと

Q&A

先端巨大症に関するよくある質問と専門医の先生からの回答をまとめました。
先端巨大症について知るための一助としてください。

回答:森山脳神経センター病院 間脳下垂体センター センター長
虎の門病院 間脳下垂体外科 特任部長
山田 正三 先生

Q1 先端巨大症の症状に関して

Q1-1
先端巨大症の原因はなんですか。

成長ホルモン(GH)が過剰に分泌されることで先端巨大症が発症します。そのほとんどが脳下垂体にできた良性腫瘍(GH産生下垂体腫瘍)が原因です。

Q1-2
先端巨大症は遺伝するのですか。

GH産生下垂体腫瘍の発症原因はいまだ明らかになっていませんが、通常は遺伝性ではありません。この病気に男女差はなく、40歳代から50歳代で発症することが多いと報告されています。

Q1-3
先端巨大症になると、どうして顔貌(がんぼう)が変わったり、
手足が大きくなったりするのですか。

骨や軟骨、軟部組織(体の中の柔らかい部分)の成長に関与する成長ホルモンが常時過剰に分泌されているためです。その結果、顔貌が変わり、手足が通常よりも肥大するのです。

ページの先頭に戻る

Q2 先端巨大症の診断について

Q2-1
先端巨大症の疑いがある場合、どの病院にかかればいいですか。

気になる症状がある場合は、内分泌代謝内科や下垂体の病気を専門とする脳神経外科を受診して、医師に相談してみましょう。その際、かかりつけの医師に相談し、専門医を紹介してもらってもよいでしょう。

Q2-2
先端巨大症の疑いがある場合、
医師にはどのように切り出したらよいですか。

ご自身が先端巨大症を疑っていることを医師に告げ、診断を仰いでください。

Q2-3
先端巨大症の疑いがある場合、
診察時に用意した方がよいものはありますか。

受診の際に、10年くらい前のご自身の写真や最近の血液検査の結果などをもっていくと、医師が診断しやすくなることがあります。また病気がいつ頃から始まったかを推測する手助けにもなります。

ページの先頭に戻る

Q3 先端巨大症の治療について

Q3-1
先端巨大症の治療について教えてください。

先端巨大症の治療としては、「手術療法」「薬物療法」「放射線療法」の3つがあります。 基本的には、脳下垂体の良性腫瘍を取り除く手術療法が第一選択となります。症状によっては、手術前から薬物療法を行ったり、手術後に薬物療法を開始したり、手術後に薬物療法と放射線療法を組み合わせて行ったりする場合もあります。詳しくは本サイト内の「Step3 先端巨大症の治療について」のページをご覧ください。

Q3-2
先端巨大症の治療には、どのくらいの期間がかかりますか。

手術療法のための入院期間だけであれば、医療施設によっても異なりますが、2週間程度です。通常、退院するとすぐに手術前の生活(職場など)に戻ることができます。 ただし、手術後に薬物療法などが必要となる場合は、定期的に通院し、治療を継続する必要があります。

Q3-3
先端巨大症の治療には、どのくらいお金がかかりますか。

先端巨大症は「特定疾患研究事業」の対象となっていますので、医療保険の自己負担金の一部については、国や都道府県からの助成を受けることができます。毎月の自己負担額は入院した月でも、最大30,000円(令和4年現在)となります。ただし、入院時の差額ベッド代など助成の対象でない項目もありますので、注意してください。 詳しくは本サイト内の「Plus α 医療費助成制度について」のページをご覧ください。

Q3-4
先端巨大症の手術はどのようなものですか。

通常、手術は経鼻的方法(鼻の穴から特殊な器具をさし込んで腫瘍を切除する方法)がとられます。この方法は、脳や体の負担が少ないことが特徴です。
下垂体手術に習熟した専門医による手術を受けることをおすすめします。

Q3-5
先端巨大症の手術の後、どのくらいで仕事に復帰できますか。

医療施設によっても異なりますが、手術療法の入院期間は2週間程度です。通常、退院すれば早期に手術前の生活(職場など)に戻ることができます。

Q3-6
先端巨大症の治療をすると、
変わってしまった見た目は元に戻りますか。

肥大した骨は完全には元に戻りませんが、軟部組織の腫大などは改善するため、手術前に変形した顔貌は長期的には改善が認められます。

Q3-7
先端巨大症を治療しなかった場合、どうなりますか。

合併症である糖尿病や高血圧などが悪化し、先端巨大症を発症していない人よりも10年程度寿命が短くなってしまうと考えられています。

ページの先頭に戻る

Q4 脳下垂体腫瘍について

Q4-1
脳下垂体腫瘍というのは、いわゆる「がん」ですか。
また、転移することはありますか。

先端巨大症の原因となる脳下垂体腫瘍は、良性の腫瘍であり、「がん」とは異なります。したがって、転移することはなく、手術で切除できれば再発することもありません。ただし残存した場合には、GHを正常化し、残存腫瘍の再増大を防ぐために、薬物療法や放射線療法が必要となります。

ページの先頭に戻る